片時も 君の側にいよう
片時も 君に幸せが訪れるように・・・
今日も風の中で祈っている
Dream request.
A wind, a flower, and a prayer. 風・華・祈り
壮大な山々に囲まれ守られるように、一つの城が建っていた。
春の日差しは柔らかく包み込むように照り、麗らかな空の下に繁茂する草原。
そこに、不穏当な雰囲気を露わにした二人の男が立っていた。
「ゴドリック・・・貴様の足らない頭に頼るのは忍びない。」
「はぁ?大体なぁ・・・・ラザールが頭堅いのがいけねぇーんだ!男だったら盛大に行けよ!!」
黒い髪に、紅い瞳の青年、『サラザール・スリザリン』
金の髪に、蒼い瞳の青年、『ゴドリック・グリフィンドール』
双方相反する存在として見えるこの二人は、耐えず喧嘩を繰り広げていた。
今にも何か大きな惨事でも起きてしまうかのようにもとれる・・・
埒の明かないことを察したのか、
お互い、ローブの袂から杖を素早く取り出し構え始めてしまった。
「大口叩いて何様のつもりだ」
「俺様ゴドリックに決まってるだろ!」
「・・・っ・・・だから、意味不明な貴様の戯れ言は嫌だと言っている!!」
「そこは温厚に抑えて見ろよ!サラザール!!」
「出来るか!!!」
「気力だ!!!」
「すとっぷぷりーず?」
「「うわっ!?」」
音もなく二人の間に突如として沸いて出てきた少女。
ゴドリックとサラザールは驚いて、柔らかな草原に尻餅を付いてしまった。
それを見るなり、少女はクスクスと忍び笑いを始める。
「やだ、二人とも。いい歳してそんな驚き方しないでよ」
少女の容姿は彼らと全く違っている。
サラザールの髪とは又違った質の黒い髪、決して彫りの深い顔立ちではない。
だが、穏やかな微笑みは、引けを劣らないモノがある。
春の太陽・・・
ともいう温かな微笑みだった。
そんな少女の出現は、先程まで諍いをしていた二人の青年を、いつの間にか治めるほどであった。
「・・・・・・何時の間に来たんだ・・・・」
「ふふふ、あのねサラザール、ロウェナに移動魔法教えて貰っちゃったv」
「ちゃったって、おいおい!俺があれ程駄目だって」
「過保護。何のために魔法を学ぶ学舎を創るんですかー?創設者殿」
不適な笑みに、ゴドリックはたじろいで言葉を失った。
それを見ていたサラザールは小気味よさそうに喉で笑い、
何も言えないゴドリックは悔しそうに睨み付けた。
サァアァァア・・・と風が草を巻き上げて、空へと解き放つ。
真っ青な空を、三人一緒に静かに見送る。
不意に、サラザールが思い出したように呟いた。
「・・・・そういうえば、がここに来て一年が経った」
「んー?・・・多分そうだねー」
「はあの時かなりのお転婆だったな。
”ニホン”から連れ出そうとした時、不審人物と間違えて俺とサラザールをけっ飛ばそうとしたり」
「ゴドリック、今もだろ」
「そうだった、悪かったサラザール」
「ちょっと二人とも!何哀愁漂わせて浸ってるのよ!!?」
アハハと愉快そうに二人が声を上げ、むっすーっと顔を顰めてそっぽを向いた。
機嫌悪く城の方へ戻ろうしたその時、二人の手がを止める。
「はいはい、ちょっと待った、姫。」
「そー言えば私が止まるとでも?ゴドリック。」
きっとが睨み付けると、今度はサラザールが紳士的な態度で
「では、。私と来てくれないか?」
「喜んで、サラザール」
「ちょっと待て!何でだよ!?」
「「人徳の差」」
二人の言葉にゴドリックは面食らった。
クスクス笑いあって、不機嫌なゴドリックを宥めながら、目的の場所へとを連れていった。
サァァァァァァ・・・・
「うわぁあああ!」
ホグワーツ校のとある庭まできて、
は感嘆の声を上げる。
風に花びらが舞う。
一本の巨木は薄い花びらを満開に咲かせ、風が吹くたびピンクの雪をを降らせる。
「桜だ・・日本の桜と同じだ!」
は嬉しそうに、桜の木に走り寄る。
二人は満足そうに微笑んで、その後ろからゆっくり歩く。
「ねぇねぇ、どうしたの!?此!」
「俺が”元”になる花びらをニホンから持ってきて」
「私が魔法で育てた。」
「ゴドリックに任せると枯れてしまうからな」と、サラザールが皮肉を言う。が、
ゴドリックは「おう!俺はアサガオも育てられねぇぞ!」と胸を張って、サラザールは呆れた。
「どうして此を?」
は不思議そうにゴドリックとサラザールに聞いた。
二人はきょとんと目をしばたかせたが、すぐ優しい微笑みで答えた。
「無論、に喜んで貰うためだ。ニホンから離れ、辛い思いをさせてるからな」
「前言ってただろ?桜が見たいってさ!気に入ったか?」
私の為に彼らは・・・
嬉しすぎだよ・・
「有り難う・・ゴドリック、サラザール・・・」
の微笑みを見て、ゴドリックとサラザールは「どういたしまして」と嬉しそうに答えた。
サァァァァア・・・と優しく舞う桜の木の根本。
三人は腰を下ろし、暫く無言で天上を仰いだ。
の右隣にはゴドリック、左隣にはサラザールが座った。
日差しは温かく、微睡みも訪れる。
「・・・・学校・・・・上手くいくと良いよね」
「おう!きっと上手くいくぞ!」
「ゴドリックが子供達に悪戯を教えなければな」
サラザールの突っ込みにゴドリックは「話を折るな!」とブツブツ文句を言い始めた。
は・・・ずーっと上を向いたままだ。
そして、何かを思い出すように、ポツリポツリと言葉を呟く。
「あのね・・・・今朝夢を見たの・・・とても嫌な夢・・・・みんながバラバラになる夢・・・」
「?」
「みんな・・・いっしょ・・が・・・いい・・・・・バラバラ・・・・・な・ん・・・・て・・」
声が過細くなっていき、二人が首を傾げての顔を覗き込む。
は規則正しい寝息を立てて、深い眠りについていた。
二人は苦笑すると、ほぼ同時に自分が来ていたローブをかぶせてやる。
赤と緑のローブに包まれて、少女は安らかな微笑みを浮かべる。
不安そうにサラザールの顔が曇る。
「バラバラになる・・・か・・・・・有り得ん話ではないな」
「そんなの、俺等の心が一つなら大丈夫だろ?」
「・・・・恥ずかしい奴」ついっとサラザールは顔を背ける。
眉を潜めて「どーせおれは熱血馬鹿獅子ですよー」とぷいっとゴドリックも顔を背けた。
数秒・・沈黙を続け、
「ゴドリック・・・・サラザール・・・〜ハチミツとって〜・・・」
の寝言に
ぷっと二人は吹き出した。
「でも、私はが悲しむ事はしない。」
「俺もが悲しむのは御免だからな」
背けていた顔をお互い見合わせ、笑う。
その間で眠る少女の顔に手を伸ばし、愛おしそうに触れた。
「「の為に・・・」」
片時も 君の側にいよう
片時も 君に幸せが訪れるように・・・
今日も風の中で祈っている
ps
「さーて、これはどう言う事か、起きて説明しなさいね?ゴドリック、サラザール」(ロウェナ)
「酷いよ二人とも・・・勝手に桜の木を植えるなんて・・・」(ヘルガ)
「「(寝たふりでもするか)」」(ゴド・サラ)
「zzzzz」()
+後書き+
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『サラザール&ゴドリック夢』でした!
火原煌様、キリリクを有り難う御座いますv
ゴドリックの性格がすっごい幼稚かもしれません;
でも、管理人のゴド氏はこんな感じです。
これこそ夢見てます。(なんだそらー)
・・・勢いでヘルガを男にしてしまいました;色々不完全燃焼
ぐふぉ・・・さぁ管理人に聖拳突きをどうぞ!(え
それでは本当に有り難う御座いました!
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またまた陵様よりキリ番踏んでいただきました。
ゴドリックに惚れましたー!
「俺様ゴドリック」…流石!可愛いー!
陵様のゴドリックは外見も中身も大好きですv
陵様、愛すべきゴドリックとサラザールをありがとう御座いました!