「お前を殺すのは俺だけで、俺を殺せるのはお前だけなんだからな」 忘れんなよ。 そう言ってくれたのは確かにお前だった の に 血の味の口付け 重ねた体温 交わした約束 それは、いとも簡単に破られた。 「…脆いものだな」 自嘲気味に笑みを浮かべる 守れなかった 何もできなかった 敵をとることさえできなかった、弱い自分 「どうして…っ」 何故あいつが死ななきゃいけない 何故あいつがこんな目にあわなきゃいけない 何故、あいつ が、 ―――幸せになれない? お前を殺すのは俺だけで、俺を殺せるのはお前だけなんだからな 約 束 し た の に 「…じゃあ、シリウス、」 確 か に 、 温 か か っ た の に 「お前がいない今、私はどうやって死ねばいい?」 い つ だ っ て 、 お 前 は こ た え て く れ な い で 「『…ごめんな……』」 君を殺して上げられなくて、ごめんなさい。 ------------------------------ 過去拍手。5巻読んですぐ書いた。 |