「真田先輩ー、今日休みらしいっス」
休日の練習日。
赤也は、携帯を鞄にしまいながら真田に言った。
「ほぅ、珍しいな」
「なーんかドラクエの続きが気になるとか」
「いますぐ呼んで来い!!」
20分後。
遅れて(しかも歩いて)きたは、こっ酷く真田の説教を受ける羽目になった。
説教なんてしてる暇があるなら練習すればいいのに、とは思っても口には出せない。
「ここで引いたらドラクエマニア失格だと思い自分に負ける気がしたので止めるに止められませんでした!!」
「それが言い訳になるか!!」
「魂が折れちゃうんですよドラクエマニアとして!!」
「ゲームとテニス部。どちが大切かをよく考えろ!」
「え!?ドラクエ…部。」
(((どんな部!?)))
「ばかもん!貴様それでもマネージャーか!!」
とうとう真田もぶちきれた。
「まあまあ真田、さんも反省してるようだし、そのくらいにしておいたらどうだい?」
みかねた幸村が真田を止めに入る。
「これのどこが反省してるように見えるのだ幸村!!」
ごもっともで。(by一同)
そんな話をしていると、不意にの肩がふるふると震えだした。
「うっ…だって…ドラクエが……ヒック…うぅ…」
ポロポロとの目から涙がこぼれる。
「ふぇ…う…っ」
は手で顔を覆う事もなく泣き続ける。
「おいおい、ちょっと真田言い過ぎじゃねーの?」
「一応女の子なんだから可哀想だろ」
「あーあー、泣かしちゃったのう」
「後輩を泣かせるなど、先輩の風上にもおけませんね」
「最低だな、弦一郎」
「幻滅っスよ真田先輩」
「真田、謝った方がいいと思うよ」
ちなみに、上から丸井、ジャッカル、仁王、柳生、柳、赤也、幸村である。
周りから非難の目で見られ、さすがの真田も言葉につまった。
テンパってきている所為か冷静な状況判断ができなくなっているのだろう。
普通に考えて真田は悪くない。
そして部員たちはぶっちゃけ悪ノリしているだけである。
「うっ…錦先輩ー…っ」
「あー、よしよし。怖かったなー」
泣きついてきたに錦はとりあえず頭を撫でてみる。
じーっと部員たちは全員で真田に非難の視線を浴びせた。
哀れ、真田は悪くない。
しかし、本当に面白いくらいテンパっているのでそのことに気付かない。
「お、俺も言いすぎた。すまん」
「真田先輩…(分かりゃいいんですよ、分かりゃあ。)」
コロン。
その時、の手から何かが落ちた。
それをヒョイっとに王が拾う。
「…目薬じゃの。」
今度はふるふるろ真田の拳が震えだし。
「…っ、―――!!」
本日2度目の説教開始。
こうしている間にも刻々と練習時間は削られていくのであった。
ありきたりなオチですみません。
テニス部員は皆悪ノリしそうなだと思って。
錦先輩がいるって事は、真田たちは2年、と赤也は1年ですね。
なぜか錦先輩が好きなので、本来幸村がするであろう役を無理矢理やらせてみました。
ドラクエと言ったら怒られそうな気がしたので最後に部をつけてみました、でも何の意味もないよ的な話が書きたかったんです。